ガソリンを燃料とするものは、小出力の小型機器に用いられる。
2ストロークガソリン機関では、ガソリンと空気の混合気を吸気し、これを掃気に用いなければならないので、クランクケース内で一時圧縮を行う必要がある。すなわち、燃焼室側が圧縮行程の時、同時にピストン上昇による負圧を利用して吸気を行う。この吸気は燃焼室側が膨張行程でピストンが下降する際に同時に圧縮され(これが一時圧縮)、下死点付近で開いた掃気ポートより噴き出して膨張行程を終えた残留排ガスを排気ポートから追い出す(これが掃気)と同時に新気でシリンダ内を充填する。
掃気時にはシリンダ内の残留排ガスと新気の混合が避けられず、残留ガスを全て排気しようとすると、混合した新気の一部も一緒に排出されてしまう。
構造が簡単で軽量なわりに大きな出力が得られるが、掃気効率が悪く排気ガスに含まれる生ガスが多く、エンジンオイルと燃料を一緒に燃焼させることから、排気ガスに混ざるオイルの量も4ストローク機関に比べて多くなりがちである。
スズキの軽自動車アルトは、トルクコンバータ式2速ATの運転性確保のためAUTOMATICのみ1981年まで、また、ジムニーは、雪道や不整地での運転性を確保するため1987年まで、それぞれ2ストロークエンジン車が併売されていた。
このSJ30系ジムニーはマイクロカーを除くと日本最後の2ストロークエンジン車となった。マイクロカーにおいても光岡自動車が生産を終了している。
その特性から二輪車に多用されていたが、2000年施行の平成10年度自動車排出ガス規制により二輪車も4ストロークに移行しており、汎用エンジンや海外の原動機付自転車でしか見られなくなりつつある。ロードレース世界選手権GP500も4ストロークに移行しMotoGPに名称が変更された。
モーターショーにおいて、BMWやトヨタは何度か2ストロークエンジンを搭載した自動車(ときにはエンジンのみ)を参考出品車として公開している。
これら新世代の2ストロークエンジンは、直噴を備えたり、潤滑は4ストロークと同様で潤滑油を燃焼させることはなく、省燃費でクリーン、しかもパワフルなエンジンを目指している。
2ストロークガソリン機関では、その構造上クランクケース内に混合気を導入し一時圧縮を行う必要があるため、同じくクランクケース内にあるコンロッド大小端部やクランクの主ベアリングなどを、潤滑油をクランクケース内に保持したままで飛沫潤滑/給脂することができない(ガソリンで希釈されてしまう)。このため、
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ガソリンに一定比率(1:25?1:50ほど)で2ストローク用の潤滑油を混合し、潤滑させた後に燃焼させる。
あらかじめ容器でガソリンと潤滑油を混合して用いる方式を混合給油、潤滑油を燃料とは別のタンクに貯蔵し、オイルポンプを通じてガソリンと混合させる方式を分離給油という。
以前は全ての2ストロークエンジンが混合給油であったが、回転数や負荷の変化に細かく対応できないため、かじりや焼き付き、未燃焼ガソリンなどの燃料が電極に付きリークしてしまう点火プラグかぶり等が避けられず、ダイハツの「オイルマチック」、スズキの「CCIS」など、回転数、アクセル開度、負荷の程度により混合比が自動可変し、クランクまわりのベアリングにも、オイルを圧送する方式が主流となった。現在では構造が簡単なチェーンソーなどの汎用エンジン以外、オートバイ、自動車、船外機などは分離給油となっている(ホームセンターなどでは、チェーンソー、刈払機用に、あらかじめ潤滑油が混合された缶入りガソリンが売られている)。
排気中に燃え残りの潤滑油分が多く、排気ポートやマフラー周辺が汚れるほか、排気ガスもクリーンなものにはなりにくい。このため、水上オートバイや船外機などの水中排気の小型船舶に用いるエンジンオイルには、生分解性に優れた植物エステル系オイルが用いられている。
1980年代にはスクーター向けにイチゴやキンモクセイの香りがするエンジンオイルが市販されていたが、2006年現在でも出光興産からオレンジの香りがする「ゼプロオレンジ2」が発売されている。
ヤマハ発動機の純正2ストロークエンジンオイルが黒く濁っているのは、二硫化モリブデンを潤滑剤として配合しているためである。